ロシア語には「言う」という言葉がないそうだ。
私は話す говорю ガバリュ
という言葉があるけれども、これで言うという言葉を代用している。
「とんでもない!何を言っているの?」
という場合、英語では
What are you saying?
かな。
What are you speaking (about) ?
とは言わない。
Τι λες τωρα…(ティ レス トーラ 今ごろ何を言ってんだい)に相当するギリシャ語だが、この場合λέγω(レゴ言う)の代わりにμιλάω(ミラオ話す)ということはない。フランス語でもje disとje parleとありますよね。大体どの言語でもあると思う。
でもロシア語では
что вы говорите! (シト ヴィ ガバリーチェ)
で、何を言っているんですか!という意味になって、ガバリーチェ(あなたは話す)の代わりになる「言う」という言葉がないらしい。
こういうのって、ロシア人は違和感はないんだろうか。
よく日本語で「ら抜き言葉」が問題になる。「見る」に対して、見ることができるという意味で「見られる」というのが正しいのに「見れる」というのは間違っている・・・はずだ。にもかかわらず、「見られる」というのは他人が見ている、受動的な状態を指す場合もあり、ら抜き言葉を使うことによってそれが可能を表す表現だとはっきりする。
日常的に使っているうちに、こんな言葉があったらいいと思う言葉は自然発生的に出てくるのではないかと思う。でも、どうなんだろ。