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殺人事件のホロスコープ

いろいろ質問があったので、いままでやってきたことを少しまとめます。今回の神戸の事件と必ずしも同じではないが、応用ができると思います。

 

1.ある場所、ある時点のホロスコープはその時の状況を正確に表している。このときに行為者はASCに位置付けられる。

2.殺人事件においては、多くの場合遺体の発見から事件の報道が始まる。このときにも行為者はASCに位置付けられるわけだが、この行為者はたとえばドアを開けて「あ、人が死んでいる」と見つけた人ということになる。そして、遺体・被害者は死に関係する第8ハウスの支配星ということになる。もっともこれは、遺体が見つかるケースの場合である。目の前で争って人が殺められた、というケースなら違うかもしれない。

3.第8ハウス支配星の種類はその被害者がどういう人であったのかを示すことが多い。金星や月なら女性かもしれないし、水星であれば若い人だったり教員やコンピュータ技術者や自動車販売会社の社員かもしれない。これはその人の持っている占星術の知識によってより正確な判断ができると期待される。

4.第8ハウス支配星のある場所が、その状況を表す場合が多い。第9ハウスにあれば、その人は建物の上の階やとにかく高いところで亡くなったかもしれない。以前にはクレーンでつるされた遺体というケースもあった。第3ハウスなら道路での事故や学校かもしれない。

5.第8ハウスの支配星のあるサイン(宮)もまたその状況を表す場合がある。たとえば水辺で殺された人は蟹に位置するというようなことである。しかし、第8ハウス支配星のあるサインは、単にその場所や状況だけではなく、この事件の非常に本質的な何かを表すことがある。つまり、たとえばそれが蠍に位置する場合、一見無差別な犯行に見えても実は金の貸し借りが絡んでいるというようなことである。

6.第8ハウス支配星に対して、合・オポジション・スクエアなどを最も小さいオーブで形成する天体が加害者と考えられる。このアスペクトは基本的には接近のみが有効であるが、2度ぐらいまでだと分離であってもアスペクトが成立するとみなせるケースがあるように思う。この星の種類は加害者の人物像を表すことが多い。木星なら地位の高い人物かもしれない。月だと女性かもしれないが、ふらっとやってきた人物というような意味合いもある。

7.加害者の天体が支配するハウスが第8ハウスから見てどのハウスに位置するかが、殺人の動機や被害者との関係を表す。異性関係の場合には、第8ハウスから見た第7ハウスに当たる第2ハウスを支配していることが多い。第3ハウスや第9ハウス、被害者から見て第2ハウスや第8ハウスを支配している場合は金の問題と考えられる。

8.月や関係する天体が太陽などとアスペクトを作る場合、そのオーブで示された期間で犯人が捕まるとか隠れた事実が明らかになると言ったようなことが起こりやすい。水星が表示星で太陽と5度のオーブがある場合、それは5時間後であるかもしれないし、5日後かもしれないし、5週後かもしれない。その判断はその位置するサインがカーディナル・フィックスド・ミュータブルのいずれかであるか、また状況によって判断する。

9.月のアスペクトとそのオーブは、その後の事件の展開を表す。月はタイマーの役割をする。この点は他のホラリーなどと違いはない。

 

ざっというとこんなところです。

失踪の場合判断に苦しむのは、「この時点を持っていなくなった」ということができないからです。今回の神戸の事件にしても、家を出た時がその時間なのか、友達の家で断られた時なのか、最後に目撃された時なのか、わからない。今回、海王星とのアスペクトがある天体というのは初めてそうだろうと思ったのですが、いつもそういう判断ができるかどうかはまだわかりません。

殺人事件のホロスコープ」への2件のフィードバック

  1. 大変参考になりました。ありがとうございます!
    これから勉強してみようと思います。

    返信
    1. simpledirect 投稿作成者

      蘭さん、こんばんわ。

      コメントありがとうございます。
      前のブログなどにも、いろいろ試行錯誤した記録があります。よろしかったら、ご覧になってみてください。

      返信

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