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300年の家 (2)

甥が帰って、自分もその話は覚えるともなく、しかし頭の片隅にあったのだろう。

今日なんとなく、アメリカの住宅政策のことを考えていた。

日本では住宅ローンを組んで、その住宅を手放さなくてはならないような事情が生じた場合、家がなくても残りのローンを払わなくてはならない。

 

しかし、アメリカの場合、何とかという法律があって、住宅を手放せば、銀行はその住宅を担保にとって、それを差し押さえてしまえば、家のそれまでの所有者はそれ以上のローンを払う必要がないような、そういう制度になっていると聞いたことがある。だから、少し前のアメリカ映画で、失敗したご夫婦が「またやりなおせばいいわよ」とかなんとか言って住み慣れた家を後にする場面が映る。家を手放せば、その負債からは解放されるのだ。

これは銀行側にとっては大変なことで、最初の時点できちんと住宅の査定をしてローンを開始しないと、もし住民が事業に失敗して家を手放すとか何とかなったときに、家を差し押さえてもその家に価値がなければ、銀行は大損することになってしまう。

 

その、家を手放せばローンから解放されるという住宅制度と、甥の話が結びつき始めた。

もし、銀行が回収できる住宅にしかローンを組ませないとしたら、20年や30年で建て直さないといけないような家には銀行は金を貸さないということになるだろう。家を建てる人は当然百年も持つような家を建てようとするだろう。建ててローンを組んで、失敗すれば手放せば、銀行には優良な資産が残される。

ということは、建築業界も、すぐに壊れる家は販売しないことになる。「この家は、手放すときにはきっと価値が上がりますよ」というような家を建てようとするだろう。

 

その法律がないから、日本はどんどん家を建てる。家がすでにあっても、また建てる。古い家は壊したり見捨てたりすればいいのだ。

たとえば空き家問題。次々空き家ができる。管理者がいない。ということは住宅は実は飽和状態なのだ。ただ、荒れていくというだけで、建てたという事実はあるわけだ。

息子たちは、親の立てた古いおんぼろの家には目もくれないで、別の土地に新しい家を建てる。しかし、もしその家が200年も住める立派な家だったらどうだろう?息子たちもそこに住もうと考えるか、仮に手放したとしても次の所有者が名乗りを上げるに違いない。

 

そのように各住宅に魅力があったとしたら、これほど過疎の集落、シャッター通り、東京一極集中が起こるだろうか。

高度成長時代に建てられたニュータウンの入居者が高齢者ばかりになってしまった。そこには、次の世代の人たちは住みたくないのだ。しかし、そこが200年建っている前提で作られていたらどうだろう。

そして、「家」というものがそのようなものだったとしたら、ひょっとしたらこれほどの少子高齢化が進まなかったかもしれない。

 

ひょっとして、これってものすごく大きな問題なのではないか?
日本の住宅が数十年しか持たないのは、そういう政策のせいなのでは?
あるいは住宅屋が儲け放題になっているからなのではないか?
もし、ちょっとこれを解決できれば、過疎とか高齢化とか、ものすごくたくさんの問題が解決できるのでは?

なので、長々とですけど、ちょっと記事にしておきます。もし、気が付くことがあれば、また記事にするかも。

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