ウスペンスキーの「奇蹟を求めて」に書かれた内容に従っての説明になるのだが、グルジェフによると、3つの力が集まって初めて現象が起こるのだという。現代の物理学がいうような1つの力、または2つの力、つまり作用と反作用だとかプラスとマイナスのような、2つの力では現象を起こすことができず、真実の世界を反映していないのだという。
この力は、能動的力、受動的力、中和的力と一応命名されている。ただ、この考えは占星術にはなじみ深いもので、カーディナル・フィックスド・ミュータブルに対応していると考えられる。また、父と子と聖霊というシンボルはここでもつかわれているようにも見える。
エネルギーはこのように3つなのだけれど、物質ということになった場合は違っている。
能動的力の媒体となるものを彼は炭素と呼び、炭素の原子記号と同じCで表した。同様に受動的力の媒体を酸素Oとし、中和的力の媒体を窒素Nとし、いずれのエネルギーも関わっていない場合に水素Hとした。
ただし、これらのものは元素の炭素・酸素・窒素・水素とは関係していない。水素というのはあらゆるレベルの物質を含み、それは特定の大きさと霊的特性を持つ。たとえば水の原子とか食物の原子とかもっと高いレベルの霊的原子というようなものもすべて水素Hで表現することができる。
この4つの物質は、占星術や古代のシンボルでいう火・地・風・水に対応している。グルジェフはこのことを質問されたときに、「確かに対応しているが、我々はこちらを使う。」と言っている。
占星術の4つのシンボルは、違う意味づけもされている。たとえば火や風は熱いサインで、地や水は冷たいサイン、また火と地は乾いたサインで風と水は湿ったサインなどとも言われている。グルジェフとしては無意味な混同を避けたかったのかもしれない。