自分は東京都民じゃないから関係ないけど、都知事選、面白いね。泡沫候補と言われている人も含めて、それぞれに頑張ってください。

そうした中で、野党統一候補は散々もめた末、鳥越さんになった。

この人は、自分としても名前の知れたジャーナリストとして認識していた。こんなに左寄りな人だとは思っていなかったけど、あの世代の人にはこういう人もいる。ま、いいだろう。

しかし、出馬会見を聞いていた時に、「東京の出生率は1.4ぐらいで、全国でもいい方」というのを聞いて、愕然とした。後で後ろからメモが回ってきて、東京の出生率は1.1いくらかで、全国最低だと、ご本人は訂正されたのだが。

これ、都会で暮らしている人には身につまされる問題だと思う。会社の中で派遣社員で結婚適齢期が過ぎて20万にもならない給料で暮らしている女性スタッフなんてのは結構いるんだ。

東京では、都会では、子どもが育てられないんだよ。仕事はあるかもしれないが、給与がそれほど高くなく、それに比べて家賃や食費は地方に比べてはるかに余計にかかる。なかなか結婚できない。そして、仮に結婚したとしても、その保育所の問題があったり、教育費の問題があったりして、なかなか子供をつくろことができない。そして、地方から人が来ては、そうして独身だったり、子どもがいないまま高齢化していく。

逆に東京に出ていい企業に入って成功したような人は、田舎で高齢化した親族を東京に呼び寄せる傾向がある。お父さん、お母さん、もう田舎で土地を守るの大変でしょ？こちらに来て一緒に暮らしなさいよ。

そうして、東京でも急速に高齢化が進んで行っている。

どう言う解決方法を提示するか、というのは、これは難しい問題だ。だけど、まさに問題は目の前にあるのです。ごめん、都民じゃないけど、それは・・・みんな知ってるだろ、そんなこと。これは難しい問題じゃなくて、普通にニュースで出てる数字とかを気に留めていれば、あるいは本で知ったり特集番組を見たりするのかわかんないけど、とにかくそんなこんなでみんな知ってる。

そこがわからんところなんだよ。ジャーナリストだろ、鳥越さん。菊川怜さんでもいいよ。惠さんでもミヤネさんでも高橋さんでもいい。キャスターでなくたって、ゲストさんでもいいよ。水泳の宮下さんとかDAIGOさんとかでもいい。たとえ素人の芸人さんやスポーツタレントさんでも毎日のニュース番組に出てるような人なら、当然そういうことは認識していると思うんだ。漠然とでも、「ああ、今東京の抱えている問題はこれだな、日本の問題はこれだな」と知っていると思う。出生率の正確な数字が答えられなくたっていいじゃないか。だけど、大体は傾向や問題は理解してなきゃ。

増田寛也さんは、昨年12月に「東京消滅」という書籍を出版されたそうで、そういう本を出した人が都知事に立候補するってどうなの？とは思うけど、問題そのものはきっちり認識されている。彼の場合は「だから東京の人は地方に移住しましょう」「東京の財源は地方に持っていきましょう」と言ってきたわけで、都知事立候補は大問題は大問題、だけど、問題意識そのものは正しいし、今まで世論を引っ張ってきたという点では偉い人だともいえる。

それを鳥越さんは全く分かっていなかった。逆に自分はこれで心配になったよ。記者というのは、こんな何にもわかっていない人がやってるものなの？で、たとえばその30代後半以降でなかなか結婚できない人たち、そういう人を周りに見ている人が、たとえ常日頃野党を応援していたとしても鳥越さんを選ぶもんだろうか。