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読書

読書をしない。

小学校、中学校、高校の間は、これでもかというほど読んだ。

 

小学校の頃、本を読んでいると、そう、多分今と同じお盆ごろの季節だったのだろう、親戚の小さい子が抱き着いてきた。それで驚いて顔をあげると、先ほどみんながびっくりするほど大きな雷が鳴ったというのだ。私は一向にそんなことは知らなかった。それぐらい本を読んでいた。読んだ本の数も多かったし、集中していた。そして、だんだん上の学年の本が読みたくなる。

 

だけど、本は読まなくなった。そうだね。社会人の間、あれこれ買えなかったということもあるが、それ以上に漫然とは読めなくなったということか。

 

本を読んでいて、自分のテーマができてきて、取捨選択をするようになった。そして、自分に価値があるものだけを選ぼうとするようになる。

さらに、その本というのは、勢い難しいものになる。外国の本なんかは、一通り読んだ、というためには段々原語で読む必要が出てくる。咀嚼するのに時間がかかるようになってくる。

 

文章の下手、うまいにかかわらず、自分より上の人の本を読むようにすることが重要だと私は思う。それは金持ちだとか、社会的立場が上とか、そういう意味ではない。

生きている間にすべてのことを考えることはできない。世界のすべての快楽を味わい、すべてのことを知り、すべての楽しみを楽しむことはできないのだ。今、テレビで物知りの人が、漢字の書き順をよく知っているとか、英語の意味を知っているとか、もてはやされる。でも、英語なんて、そもそも外来語の集まりみたいな言語ですしね。英語圏の知識人は、ラテン語やギリシャ語やフランス語ができるから知識人なのです。じゃ、大事なものは何なのか?

 

大事なものを選ばなければならない。人生の目的は、他人に認めてもらうこと、市民権を得ることではない。自分にとって大事なものは多くない。

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