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農業所得50万

自分は実家に帰って、小さなハウスの中で育苗し昔から続くようにハデ(稲架)を作って脱穀している。しかし、ハデを作るのも自宅で育苗するのも実は大変なので、多くの近隣の家は、苗を買ってきて田植えをし、コンバインで収穫してカントリーへ持って行っている。

 

1反の田から30kgのコメが10袋取れればすばらしい田んぼで、山の中ではそうはいかない。そして、そういう風にハデで米を作って直接消費者に渡せば、30kgを10,000円というような値段で販売することができる。ハデ干しのコシヒカリということだと実際美味しいし、あれこれの説明抜きで消費者は良い商品だと認識してくれる。ざっと1反で10万か、あるいは7~8万ほどの売り上げになる。それでも、田起こし、田植えだとか脱穀などの業務を外注するし、農薬や肥料、機械の減価償却分を入れれば、およそとんとんだろうと思う。自家消費もあるし、親せきや近所に上げる分もあるわけだが、「あそこのコメはもらう価値がある」と思ってもらっていれば、それなりに経済的には回っているともいえるかもしれない。

 

しかし、もし育苗とかコンバインの作業を外注にすると、1反あたり5~6万はかかる。そして、直接販売せずに農協に出すと、昨年は4000円前後で取引されたらしい。この買取価格はコメの等級で決まるわけだが、この等級は、食べてみてうまいかどうかもあるけれども、割れていないか、カメムシで黒くなっていないかというようなことで下がってしまう。当家のコメは、ご賞味いただいた方は一様においしいと言っていただけるということが、私も最近わかってきた。しかし、農協に出していればごく普通のコメとして扱われ、4000円なにがしで買取されただろう。それにコメはコシヒカリばかりとは限らない。場所によっては倒れにくい米というようなことで、他のコメを作る場合もある。

 

そうすると、農協と協力して米を作っても、農家は一向にもうからないことになる。じゃあ、土地を集約して大きな土地で作ったらどうか?それは一つの解決法ではある。

しかし、事はそう簡単ではない。

私のいる市は多くが中山間地である。山というと一様に高いところというイメージがあるかもしれないが、田んぼということで考えると、高いところでも平たい土地がずっと続いていれば、大きな田が取れる。小さな丘陵が多いこの辺りでは大きな土地はなかなか取れない。

 

都会に住んでいる人は、この感覚がわからないだろうと思う。都会から帰ってきた自分もわからない部分がある。作れば作るだけ損だ。単純な話、生きていけないじゃないですか。そして、作れば作るだけ損をしている農家が、日本の土地を維持している。実際多くの人が耕作をあきらめて田舎を離れているし、そういう土地はあれていくことになる。

 

それで、とりあえず兼業農家でやっているうちで、年間の所得が300万、そのうちの農業収入が50万ぐらいという絵が描けるようになるべきだと思う。そういう風にできていないと、国全体としてもどこかで反動が来るんじゃないかと思う。

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