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黄泉比良坂

子供のころ海水浴に行って、隣の洞窟を指して「あそこがあの世の入り口だとや」とかなんとか言われて、半分興味津々というのか、怖いような気もした記憶がある。ちょっと入ったと思う。(出雲地方では伝聞で「とや」が使われる。古文では習うと思うのだが、語彙はほぼ室町時代だと思う。)今考えると、猪目洞窟がそうなのだけれど、久しく行ったことがない。しかし、世間様では猪目のことはあまり知られていないようで、逆に黄泉比良坂というのがあの世の入り口として認知されているらしい。知らんがな、そんな。神話自体は有名で、イザナギノミコトが妻のイザナミを訪ねるのだけれど、黄泉の醜い姿を見られたということで逃げ帰ってくるのである。

だけど、近くの神社一つとってみたって、やれここはスサノオノミコトがああしたところだ、こうしたところだと、いっぱい由来のある話があるのだ。ポコポコあちらこちらにあの世の入り口があってどうするの。

 

ところがこの前関西からの帰りで、高速松江道安来線を通らずに下の国道9号線を通ったらデカデカと看板が出ているではないか!?

 

それでチャンスを作っていってみようと思ったわけだ。

 

行ってみると、狭い狭い道を通ってやっと車が3~4台ほど停められるスペースがあって、ちょっとした木陰にしめ縄と巨石と碑がある。

2つ車が来ていて、おお、結構遠方から来てる人がいるんだ。カップルもいるではないか。

 

看板が出来ていて、なんでも北川景子主演の映画がここで撮影されたらしい。だからこんなに有名なんだな?そういえば北川さん、盛んに八重垣神社の宣伝をしてたな。

yomotsu

この遺跡が何らかの事実に基づいていた可能性は?わからない。猪目のようにそこを夢で見たら帰って来られないというようなのはわからないではない。もともと力の場所というのは夢で見るところだから。出雲を離れている間も、なぜか木次の駅前から土手に出る斜めの路地はよく夢で見た。そういう場所があるといえばあるのだけれど、だからどうなのと言われてもわからない。

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