インド風にクミンシードからはじめて、コリアンダー、ターメリックでカレーを作る時に、酒などを入れてもどうやら仕方がないようだ。
他の煮込み料理なら当然お酒とかを入れるとおいしくなりそうなものなので、ぶどう酒を入れてみましょうとかやってみていた。一度は塩を入れる代わりに味噌を入れてみた。しかし、だからと言って格別おいしくない。あんまり相性が良くないような気がする。基本的に酒などはなくて完結する料理なのだろう。
イスラム教ではお酒がダメだけれど、単にお酒を飲むのがダメというだけではなくて、製造過程で酒に類似する発酵があるものもやっぱりダメらしくて、普通の醤油や味噌はイスラム圏からの訪問客には使えないらしい。
日本ではあまり顧みられることはないけれども、仏教も基本的にお酒を禁止する宗教です。そして、お釈迦様は酒だけではなくて、さらに発酵の進んだお酢も禁止されました。
そうすると、インド・イスラム圏での発酵食品は基本的にヨーグルトぐらいなもので日本のように多種多様な発酵食品はないということになる。
日本で料理をやっていて、大体どのような食材が来ても、このパターンで作れば食えるだろう、と考えられる調理の仕方がある。それは醤油や味噌があるという前提で作るわけだ。しかしそうした調理法はイスラム圏インド圏ではNGだということになる。
一方キリスト教ではぶどう酒が聖餐式に欠かせないこともあり、イエス・キリストが「何を食べた、何を食べていないと言って思い煩うな」と仰ったこともあり、お酒の関係のものを作ったからと言ってとがめだてられることはないし、酒は一種特別の地位を得ている。キリスト教徒が日本に来たからと言って、味噌や醤油が食べられなくてどうこうということはない。
もし、イスラムが今後勢力を伸ばしていったとしても、このまま発酵食品を禁止し続けるとしたら、日本に定着することは難しいだろう。イスラムの皆さんはこの部分についてはよく検討されることをお奨めしたい。本当に発酵食品を一律に禁止していいものかどうか。チェルノブイリ原発事故でも日本の味噌がいいらしいということでウクライナなどで味噌が求められたそうじゃないですか。