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世田谷立てこもりのホロスコープ

今月10日、世田谷で元警視総監が近隣の女性を日本刀で切り殺し、自らはその女性の家に立てこもって、警官が突入するとすでにその男性は自殺していたという。

この事件については、以前から市道におかれた植木鉢のこととか、猫のこととかで、女性と加害者男性の間でいさかいがあったことがわかっている。仮にいさかいがあったところで、ネコや植木の問題やそこらで日本刀を所持して近隣の女性を斬り殺すなどというのは、いささか不自然ではあるのだが、ホロスコープを作っても事件解決に寄与したりということもないと思ったので、取り上げていなかった。

しかし、たまたまお客様の中に関係者と知己の方がおいでになるということで、一応作ってみた。

2012/10/10 11:30 東京都世田谷区野沢

内円が通常のホロスコープ、外円が9倍音である。通常、第8ハウスの支配星とそれにアスペクトを作る星を見るわけだが、これは目の前の状況において「あ、人が死んでいる!」という状況から始まるわけだ。しかし、今回、目の前で事件は起こっている最中なので、第8ハウス以外の可能性も考えてみないといけないのかもしれない。

第8ハウスは獅子で、天頂の天秤にある。オポジション、スクエア、合、クインカンクスなど、いわゆるハードアスペクトを作る星はない。アスペクトを作る星でも、マレフィック(凶の星)はない。いつも問題になるような土星、天王星、火星、海王星、冥王星などのアスペクトはないのである。 しかし、それでも天頂にあるというのは、白昼現在にその事件が大きな出来事として起こっているということなのだろう。

木星がトラインになる。木星は第1ハウス、被害者から見て第6ハウスを支配する。この人がこの事件を起こした人、と思っていいのではないかと思う。木星のほうは、金星とスクエア、火星とオポジションで、金星は第5ハウス、第10ハウス、火星は第4ハウス、第11ハウスを支配する。

 

ペットは第6ハウスであらわされる。家庭は第4ハウス。一通り報道されているような象意は出ているものの、だから「これだ!」というような占断結果というものはない。加害者のほうは恐らく周囲と相当もめていたのではないかとは思う。

9倍音図を出したのは、通常のホロスコープでハードアスペクトがないからで、ここでは冥王星の合が浮かび上がった。冥王星は第11ハウス、被害者から見て第4ハウスを支配しており、土地や家庭の問題という推測はできる。だがこれも報道の追認以上の内容はない。

 

そういうことで、ごめんなさい、ここで新しい材料というものはホロスコープからは提供できません。

 

ご連絡をいただいた知己の方からは、この被害者は被害に会うと決まっていたのかという疑問を頂戴した。

 

めったにそういう機会はないのだけれど、今まで検討してきた殺人事件で、被害者の生年月日などがわかったケースがある。残念ながら非常にそういう事件に巻き込まれやすい配置の出生図だった。だから、私は被害者には往々にしてそういう傾向があるのだろうと思っている。その運命から逃れることができるかどうかは、また別だと思う。日本国内に同じ誕生日の人が、たぶん何人かいる。それらの人がみな殺人事件の被害者になるなどということは私は認めない。だが、ある瞬間そういう事件に巻き込まれやすいということはいえるのではないかと思っています。

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