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誘惑

ぴちぴちピッチは記事にすんのやめた!とか言ったものの、今でも一番題材としては取り上げやすいです。前言撤回。ευτυχισμένο μαζίも面白いところもあるけど、どうにもこっぱずかしいシーンが多いし、一話分が長いから、なかなか進まないんです。

 

さて、キリスト教徒は、多分誰でも知ってる、あるいは唱えている、いわゆる「主の祈り」。各宗派でバラバラの訳が出回っています。

本当は正教会訳を載せるのが筋ってもんだろうけど、やっぱり口語訳の聖書に書いてあるヤツが一番親しみやすくはあるよね。プロテスタントさんのやつでは

天にまします我らの父よ。
ねがわくは御名〔みな〕をあがめさせたまえ。
御国〔みくに〕を来たらせたまえ。
みこころの天になるごとく、
地にもなさせたまえ。
我らの日用の糧〔かて〕を、今日〔きょう〕も与えたまえ。
我らに罪をおかす者を、我らがゆるすごとく、
我らの罪をもゆるしたまえ。
我らをこころみにあわせず、
悪より救いいだしたまえ。
国と力と栄えとは、
限りなくなんじのものなればなり。
アーメン。

となっているらしい。詳しくはWikipediaを見てください。

でも、正直なところよくわからないところが多いですよね、これ。

上の訳では「こころみ」となっているところ、カトリックさんは「誘惑」としていて、正教会は「いざない」としています。

 

自分は、一応これは毎度ギリシャ語で言うことにしています。「パーテルイモン・オ・エンディス・ウラニス、アギアスシート・ト・オノマースウ・・・・」
別に自慢とかじゃなくて、自分はかつてそこにいたのだから、単に慣れですよね。

この「我らをこころみにあわせず」は
καὶ μὴ εἰσενέγκῃς ἡμᾶς εἰς πειρασμόν,ケ・ミー・イセネンギス・イマス・イス・ピラズモン
です。イセネンギスは活用が難しい単語で、もとはεἰσφέρω、そこに連れて行く、導くで、ピラズモンが「こころみ」や「誘惑」にあたる単語です

 

さて、これでぴちぴちピッチなのだけれどこの「ピラズモス」がタイトルに使われている回が2回あります。

ぴちぴちピッチ第19話 夏の誘惑
καλοκαιρινοί πειρασμοί カロケリニ ピラズミー

ぴちぴちピッチピュア第34話 白い羽根の誘惑
Λευκός φτερωτός πειρασμός レフコス・フテロトス・ピラズモス

第19話はコンサート会場で友達とはぐれてしまったるちあさんが、リュウという男の子に誘われて、ダーツ・ゲーセン・カラオケなどを次々と経験していく話。リュウが唇を盗もうとする寸前に海斗君が現れて、るちあを連れ帰る。ピラズミーとなっているのは、誘惑が複数あったということ。

ピュア34話は、海斗に振られて絶望のみかるを、白い羽根を持つ未知の生命体ミケルが自分のところに呼び寄せようと甘い言葉をかける話。

 

つまり、早い話がピラズモスは文字通り「誘惑」であって、「ちょっと、おにいさん、悪いことしましょうよ」「ま、これぐらいいいじゃないの」ということですよね。

いやまあ、学者さんは「そんなこたあ、ない。コイネーの時代にはこういう意味だったんだ。」とかいろいろあるのかもしれない。

それでも、福音書の中だけで、ピラズモスという単語が例えば人々の会話の中でどのように使われているか、というのを判断するのは難しいと思うんです。「試み」なんていうと、主が40日間断食されたときのことで、悪魔が出てきて、山頂に連れて行って全世界の富をやるとかなんとか、それもピラズモスかもしれないけれど、それってリアルに思い描けるような経験じゃないじゃないですか。

 

この点は日本にいて難しい点だと思います。私たちは、その訳を受け取るのに、ギリシャ語からラテン語に訳され英語に訳されたりスペイン語に訳されたりなんだかんだした最後の最後にやっと日本語に訳されて、しかもその訳は3つも4つもあるわけですよ。聞いて「あ、なんだ、そういうことか」と思うまでのプロセスが長すぎます。

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