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宇宙戦艦ヤマト ― 日本の宇宙もの

実は、自分は宇宙戦艦ヤマトというのは、あんまり見たことがなかった。その年齢では、自分で「テレビとかアニメは見ないようにする」ということにしていたし。単行本を友達の家で少し見たかな。ちなみにガンダムも見たことがないです。

最近、ひょんなきっかけで、アニメの最初のところだけ見ることがあった。

 

自分はそれほど詳しく知っているわけではないが、アメリカの宇宙ものというのは、アメリカ軍の圧倒的な勝利を描くために制作されていると思う。スター・ウォーズはちょっと違うかな。あれは武士道に凝った作者さんだと思うし。

たとえば、インディペンデンス・デイとか、バトルシップとか、とにかくアメリカ軍万歳、異星人をやっつけろ、的なモチーフだ。そのモチーフは、実際には、アメリカ大陸の東側に上陸した白人たちが、インディアン達、カメハメハ王朝、日本を従えていったのと同じモチーフのように見える。

 

さて、宇宙戦艦ヤマトでは、最初の方で沖田艦長が言っていたと思うが、要するにガミラスは降伏か全滅を要求していた。ガミラスは圧倒的な軍事力で地球に迫ってきた。物量的にガミラスは完全に地球を上回っていたのだ。

で、これはまさに戦前アメリカがやってきたことそのものだった。日本に対してもアメリカは全滅か降伏かを要求した。インディアンに対してもそうだった。カメハメハ王朝は降伏した。フィリピンもアメリカに従ったが、従わなかった人々は惨殺された。
日本は完全に追い詰められた。どうせ滅ぼされるなら誇り高く戦って死ぬところを子供たちに見せてやろう、ということで開戦に踏み切った。

そして、アメリカ軍に沈没させられたヤマトを内部から改装して、宇宙戦艦として宇宙に旅立ち、新たな敵を撃破していく、という話だ。戦艦大和ですよ。不沈艦と言われ、当時の日本の技術の粋を集めて作られた巨大戦艦です。

 

で、おそらく作者は「ガミラスはアメリカです」とは言っていないと思う。巷の説では、ガミラスはナチスみたいに描かれているということらしい。しかし、要するに宇宙戦艦ヤマトは、西洋世界、アメリカに追い詰められて戦った日本の夢を凝縮したものなのだと思う。
あの時代の人たちは、自分たちは正しかったと思っていたと思う。だが、それを公に表現することは出来ない。アメリカが思想統制をしていたからだ。

しかし、漫画のなかで、架空の話ならできる。相手はアメリカではなくて、宇宙人だ。

でも、これは明らかにアメリカという強大な敵に立ち向かった日本人のメンタリティ、その精神の昇華だと思う。作者はそういうことは言っていないがそうだったのだ。

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