イスラム国の問題だが、自分は自体はそれほど楽観視はできないと考えている。彼らは名指しで日本を敵国扱いした。だから私は当然日本もそうすべきだろうと思う。政府が軍を派遣できないなら、せめて義勇軍ぐらい作るべきだと思うのだが、法律やあれやこれやの足かせて日本はそれができない。さぞかし馬鹿にされていることだろう。
閑話休題。いずれ私自身もイスラム国の肩を持とうとは思わない。しかしそれでもイスラム国が勝つか、仮にイスラム国が負けたとしても問題は尾を引いて、類似の勢力が台頭するだろう。なぜそう思うのか。
1.歴史的に見ると、なんだかんだ言っても野蛮なほうが勝っているように思える。一見野蛮に見えるけれども、彼らはそれだけ必死なのだ。
2.イスラム国は侵略していない。イラク・シリアで勢力を広げたのを侵略と考えれば侵略かもしれないが、敵国であるアメリカにまだ爆弾を落としていない。ヨルダンやUAEにもまだ攻め込んだことはないと思う。イラクのアルカイダのテロ行為が侵略だと言えばそうなのかもしれないが、土地を占領してはいない。一方で、ヨルダンもUAEもアメリカも、自分たちの土地でないところに爆弾を落としている。
人を一人殺すために使っている金が違う。戦闘機は日本円で何億円もする。多分イスラム国の兵士が使っている機関銃は数千円程度だろう。
3.士気や目的意識の違い。有志連合は爆撃するとしか考えていない。自分たちが地上戦に出向こうとしていない。基本的には給料で雇われた兵士たちである。
上に書いたことにも共通するが、たとえばローマとカルタゴの戦いはどうだっただろうか。ローマは農民たちが民兵として自分たちの国を守るべく出征した。カルタゴは財力に物を言わせて傭兵を雇った。船もカルタゴのほうがはるかに優れたものを持っていた。結果はローマが勝った。
アメリカの兵士は、国の貧困層、黒人などが、より高い給料を求めて入って来るような人々で、外国で地上戦をするとそれがトラウマになって帰国後治療を受けているような人々だ。目の前で親兄弟が数億円もする戦闘機の爆撃で殺された子供たちが大きくなったようなイスラム兵と気持の上で対等に戦えるのだろうか。
イスラム国は自国にやってきた敵国人の何人かを公開処刑して動画で世界に知らしめた。一方有志連合はイスラム国地域に爆撃をし、先日新たにヨルダンが空爆する以前、戦闘員6000人を殺したと発表している。ヨルダン空軍パイロットが1人焼き殺されるのと、爆弾で赤い炎で燃え上がって何十人か一度に燃え上って死ぬのを比べると、自分には爆弾が残虐でないとは言えないように思える。
アメリカは、イスラム国を壊滅するために、イスラム国と戦える地上軍を現地で組織すると言っている。だが、そもそもイスラム国の一部はシリア政府を倒すためにアメリカが炊きつけた反政府勢力だし、イラク戦争でアメリカにつぶされたイラク政府の残党もいる。そもそもアルカイダだって、ソ連と戦うためにアメリカが育成したムジャヒディンがもとだ。アメリカが地上でそういう軍隊を育成するということは、先々アメリカに銃を向ける人が増えるというだけのように見える。
以前からペルシャ戦争の例を挙げているのだけれど、他の例を考えてみよう。
たとえばフランス革命の時どうだったか。フランスだけ王政を倒そうとして新しい勢力だったが、プロイセンもオーストリアもみなフランスの敵に回った。おそらくその時にフランス以外の国にいれば「フランスの恐ろしいテロリストどもが既存の体制を転覆しようとしている」ということになっただろう。そして「フランスのテロリスト」ならぬ革命家たちは、散々内戦や権力争いをし、お互いをギロチンにかけて行った。しかし、結局は彼らが主導権を握ったのである。残虐で内紛ばかりしているから負けるとは限らない。
そういうことを考えると、自分にはそう簡単な問題だとは思えないのだ。
国と国との戦争じゃなくて、ゲリラ、軍閥相手の戦争と考えれば、
昔の満州事変・支那事変みたいな泥濘の戦争になると思います。
重武装どおしの戦でなくても
先日のフランスでのテロを例に出すまでもなく、そういうことがどの国で起きてもおかしくないかなと思います。終わりがない戦いになるかも。
灸太郎さん、こんばんわ。
その見方には賛成できます。
たとえばボルシェビキが勢力を握ったロシア革命のような感じがする。ボルシェビキ以外にも、さまざまな将軍が各地で勢力を握ろうとしていた。そして一番勝ちそうにないところが勝った。そういう泥沼の戦いになる可能性はあると思います。